- 2026. 06.26
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AIエージェントとは?
仕組み・生成AIとの違い・経理・会計業務での活用例
近年、生成AIの次のステップとして注目を集めているのが「AIエージェント」です。AIエージェントは、目標を理解し自律的にタスクを遂行するシステムです。2025年は「AIエージェント元年」とも呼ばれ、さまざまな業務領域での導入が加速しています。
本記事では、AIエージェントの仕組みやできること、生成AIとの違いといった基本知識から、導入メリットを解説します。さらに、経理・会計業務における具体的な活用例や注意点も紹介しますので、自社への導入を検討する際の参考にしてください。
- 目次
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AIエージェントとは
AIエージェントとは、与えられた目標に対して自ら計画を立て、外部ツールやデータベースを活用しながらタスクを自律的に遂行するシステムです。
従来のAIツールは、「人間の指示に対して1回の応答を返す」ものでした。一方、AIエージェントは「目標を受け取ったら、必要なステップを自分で分解し、実行と修正を繰り返しながら最終的な成果を出す」点が大きく異なります。たとえば、「来月の需要予測レポートを作成して」という指示を受けた場合、AIエージェントはデータの収集、分析手法の選定、レポートの作成、関係者への共有までを一連の流れとして実行できます。
AIエージェントの仕組み
AIエージェントは、大規模言語モデル(LLM)を中核に、ツール呼び出しや外部データへのアクセスを組み合わせて動作します。目標を受け取ると、まずタスクを分解し、各ステップを実行します。その結果を評価し、必要に応じて修正を行うというサイクル(推論→行動→評価→修正)を繰り返すことで、目標達成に向けて処理を進めていきます。
近年では外部システムと連携するための共通規格として「MCP(Model Context Protocol)」も注目されています。MCPを活用することで、ファイルシステムや企業内データベース、外部APIなどとの連携がよりスムーズになります。
システム間のデータ連携については、「データ連携ツールとは?機能や種類、選定時のポイントをわかりやすく解説」で詳しく解説しています。
AIエージェントの種類
AIエージェントは、その意思決定の仕組みによっていくつかの種類に分類されます。
- 反射型エージェント:事前に定義されたルールに基づいて即座に反応するタイプです。監視やアラートなどの単純な業務に適しています。
- モデルベースエージェント:過去の状態を記録し、それを踏まえて判断するタイプです。在庫管理などで活用されます。
- 目標ベースエージェント:設定されたゴールに到達するための行動を選択するタイプです。施策の立案などに適しています。
- 効用ベースエージェント:複数の選択肢の中から、コストやリスクなどを踏まえて最適な判断を行うタイプです。
- 学習型エージェント:実行結果から学習し、判断精度を継続的に高めていくタイプです。
実際のビジネス向けAIエージェント製品は、これらの要素を複数組み合わせて設計されているケースがほとんどです。
AIエージェントと生成AIの違い
AIエージェントと生成AIは混同されがちですが、役割は大きく異なります。
生成AIは、プロンプトに応じてコンテンツを生成する「受動的な存在」です。一方、AIエージェントは目標に基づいて自ら行動する「能動的な存在」です。
例えていうと、生成AIは「優秀な回答者」、AIエージェントは「自走できる担当者」と捉えるとイメージしやすいでしょう。
実務では、生成AI単体では業務が完結しないケースが多く、AIエージェントとの組み合わせが重要になります。
| 比較項目 |
生成AI |
AIエージェント |
| 動作の起点 |
ユーザーの指示(プロンプト) |
目標の設定 |
| 行動の性質 |
受動的(指示ベースで動作) |
能動的(目標に基づき計画・実行) |
| タスクの範囲 |
基本的に単発の応答で完結 |
複数ステップを横断的に遂行 |
| エラー時の対応 |
ユーザー主導で修正 |
自己判断で再試行・修正 |
| 得意な業務 |
文章生成、要約、アイデア出し |
業務プロセスの自動化、複雑なタスク遂行 |
そもそも「生成AI」と「AI」はどう違うのか整理しておきたい方は、「生成AIとAIの違いとは?
経理・会計業務での活用例、メリット、注意点を解説」もあわせてご確認ください。
AIエージェントが注目される背景
AIエージェントへの関心が急速に高まっている背景には、企業側のニーズとAI技術の成熟が重なったことがあります。多くの企業では、人材不足を背景に、さまざまな手段で自動化を進めてきました。しかし、例外処理や状況に応じた判断が求められる場面では、人の手に頼らざるを得ないケースも少なくありません。こうした課題に対し、AIエージェントは「判断を伴う業務」まで自動化できる点で、従来の手法を一歩進めた選択肢として注目されています。
さらに、LLMの推論能力の向上や、ツール呼び出しといった技術基盤の整備により、実用化が一気に進みました。2025年は「AIエージェント元年」とも呼ばれ、主要なテクノロジー企業がエージェント型の製品・サービスを相次いで投入しています。
こうした背景から、AIエージェントが企業の新たな選択肢として注目され、実務での活用が広がっています。
RPAによる自動化については、「RPAで経理・会計業務の効率化を!導入メリットや活用のポイントを紹介」で詳しく解説しています。
あわせて、「経理の無駄な作業を徹底排除!効率化のための3つの方法を解説」も参考になります。
AIエージェントを導入する4つのメリット
AIエージェントの導入によって、企業はどのような効果を得られるのでしょうか。ここでは代表的な4つのメリットを紹介します。
業務の自動化
AIエージェントは、データ収集・分析・レポート作成・関係者への通知といった一連の業務フローを、人の介在なしに遂行できます。従来の自動化ツールでは、途中で判断が必要な業務への対応が難しいという課題がありました。AIエージェントはこうした業務にも対応できるため、自動化の適用範囲が大幅に広がります。
ヒューマンエラーの削減
AIエージェントは、あらかじめ設定されたルールや基準に基づいて処理を行うため、人が介在することで起きがちな入力ミスや確認漏れなどを防ぐことができます。経費申請のチェックや契約書のレビューなど、正確性と件数の両立が求められる業務で、特に効果を発揮しやすいでしょう。
内部統制の観点からミスを防ぐ仕組みについては、「内部統制とは?4つの目的と6つの基本的要素、評価-報告の手順を解説」で詳しく解説しています。
CX・EXの向上
顧客対応では、AIエージェントが問い合わせ内容を理解し、回答生成から適切な部署へのエスカレーションまでを一貫して行うことで、24時間365日の対応体制を実現できます。対応スピードと品質の安定により、顧客体験(CX)の向上が期待できます。
また、社内においても従業員体験(EX)の改善につながります。たとえば、問い合わせ対応やナレッジ検索をAIエージェントが担うことで、スムーズに問題解決を促し、ストレス軽減に役立つでしょう。
意思決定の迅速化
AIエージェントは、社内外のデータから必要な情報を収集・整理し、判断材料として提示できます。これまで時間がかかっていた情報収集やレポート作成を短時間で行えるため、意思決定のスピードが向上します。
特に変化の速い市場では、データに基づいた迅速な判断が競争力に直結します。AIエージェントは、経営層やマネージャーの意思決定を支える役割を担います。
経営判断に必要な分析手法については、「経営分析の5つの手法や見るべき指標、効率的に行うポイントまで解説!」もあわせてご覧ください。
【経理・会計業務】AIエージェントの活用例
AIエージェントはさまざまな業務領域で導入が進んでおり、経理・会計業務も例外ではありません。ここでは、代表的な活用例を紹介します。
請求書処理・自動仕訳
AIエージェントが請求書の内容をAI-OCR(光学文字認識)で読み取り、取引内容を分析して適切な勘定科目を判定、仕訳候補を自動生成します。銀行口座やクレジットカードの取引データとも自動連携できます。
経費精算の自動化
領収書の自動データ化や経費タイプの判定、社内規定との整合性チェックまでをAIエージェントが一貫して実行します。
異常検知・規定違反チェック
経費申請の金額が社内規定の上限を超えていないか、勘定科目の選択に矛盾がないか、同一内容の二重計上が発生していないかといったチェックを、AIエージェントが行います。問題を検知した時点でアラートを送信します。
月次決算・レポート作成支援
各システムからのデータ収集、突合、異常値の検出、レポートの下書き作成までをAIエージェントが担います。決算のたびに発生していた残業時間の削減が見込めるほか、決算の早期化にもつながります。
決算早期化については、「決算早期化が求められる背景とメリットとは?ボトルネックや解決方法を解説」で詳しく解説しています。
社内問い合わせの自動対応
経理部門への社内問い合わせは、件数が多い割に回答パターンが決まっているケースがほとんどです。AIエージェントが社内規定やFAQを参照して自動で回答し、スムーズな自己解決を促します。
AIエージェントを経理・会計業務に導入する際の注意点
AIエージェントには多くのメリットがありますが、経理・会計業務での導入を検討する際には、以下の注意点を押さえておく必要があります。
ハルシネーションへの対策
AIエージェントは、高度な処理が可能な一方で、誤った情報を生成する「ハルシネーション」が発生する可能性があります。
正確性が求められる経理・会計業務では、AIの出力をそのまま採用せず、人による確認・承認プロセスを組み込むことが重要です。入力データや参照情報の精度を高めることに加え、AIが扱う業務範囲をあらかじめ限定しておくことで、誤りが業務全体に影響するリスクを抑えることができます。
データ管理の徹底
経理・会計業務では、請求書や取引情報などの機密性の高いデータを扱います。そのため、AIエージェントにどの範囲のデータを扱わせるのか、どのように管理・保護するのかを明確にする必要があります。
特に、外部のAIサービスを利用する場合は、データの保存先や学習への利用有無、アクセス制御などを事前に確認することが重要です。
自社に合ったAIエージェントの選定
AIエージェントには、汎用型から業務特化型までさまざまな種類があります。経理・会計業務に導入する際は、どのような判断が求められる業務なのかを整理し、それに適したエージェントを選定することが重要です。
近年は、会計システムや経費精算ツールにAIエージェント機能が組み込まれるケースも増えています。こうした業務特化型のソリューションは、経理・会計業務に合わせて設計されているため、税制改正や会計基準の変更にも対応しやすく、導入後の運用負荷を抑えやすいという特徴があります。
会計システムの選び方については、「【上場企業・大企業向け】会計ソフトの選び方 押さえておきたい機能や特長」や「ERPと会計システムの違いとは?最適なシステムを選ぶための基礎知識」も参考にしてみてください。
AIエージェントの経理・会計業務への活用可能性に今後も注目
AIエージェントは業務を一貫して処理できるため、経理・会計業務でも活用の幅が広がっています。請求書処理や経費精算の自動化、異常検知による入力ミスの防止、月次決算の効率化などが代表的です。
一方で、データ管理やハルシネーションへの対策、自社の業務に合ったエージェント選定といった経理・会計業務で特に注意すべき点もあります。
導入を検討する際は、単体のAIツールを個別に組み合わせるよりも、会計システムにAIの機能が組み込まれたソリューションを選ぶとよいでしょう。
ICSパートナーズの会計システム「OPEN21 SIAS」では、「Accountech」というコンセプトのもと、会計(アカウンティング)と技術(テクノロジー)の融合に取り組んでいます。
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- AccountechOCR:フォーマットが異なる請求書をAIで自動読み取りする入力支援ツールです。レイアウトや文字サイズ、文言といった情報をAIが学習し、必要な項目を自動で抽出します。
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