2019年度 税制改正のポイント
デロイト トーマツ税理士法人
藤澤 文太 / 杉村 友輝 / 片桐 啓輔
1. はじめに
皆さん、こんにちは。デロイト トーマツ税理士法人です。今回は2019 年度の税制改正について解説いたします。今回の税制改正は、2019年10月に消費税率10%への引き上げを控え例年ほどの大幅な改正は見られませんでしたが、重要な内容も多く含まれています。そこで、読者の皆様に関連が深く重要であると思われる内容を、図や表を織り交ぜてできるだけわかりやすくご説明いたします。
税制改正に対する読者の皆様のご理解の一助となれば幸いです。
2. 2019年度 税制改正のポイント
今回の法人関連の税制改正では、まず、近年の税制改正の重要なテーマの一つである持続的な成長経路を実現するために必要となるイノベーションの強化等の生産性向上を目的として、研究開発投資の多様化を図り、質の高い研究を後押しするとともに、研究開発投資の増加インセンティブを強化する観点から、研究開発税制が見直されました。
また、中小企業者向けの一定の特別措置の対象となる中小企業者から除外されるみなし大企業の判定において、大法人に間接保有される法人等についてもみなし大企業に該当し、中小企業者から除外されることとなりました。
そのほか、税制適格ストックオプションの適用対象者の拡大や、地方法人課税における偏在是正措置についてご説明いたします。
- <目次>
-
- (1) 研究開発税制の見直し
- (2) 税制適格ストックオプションの適用対象者の拡大
- (3) 地方法人課税における新たな偏在是正措置
- (4) みなし大企業の範囲の見直し