• 2017. 07. 12
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平成29年度 税制改正のポイント

デロイト トーマツ税理士法人
藤澤 文太  /  間中 春樹

(5) 役員給与等の見直し

改正前では、原則として定期同額給与など一定の要件に該当する役員給与について、不相当に高額な部分等を除き、損金に算入されることとされていました。

日本企業の役員報酬は従来より固定報酬が中心であり、欧米と比べて株式報酬などの中長期インセンティブや業績連動報酬の割合が低いため、業績向上のインセンティブが効きにくい状況にあると言われています。また、企業側からも欧米先進諸国で利用されている多様な株式報酬や業績連動報酬を利用したいとの声が大きかったため、今回は多様な業績連動報酬や自社株報酬の導入を促進するような内容に改正されました。

役員給与等の類型ごとの改正概要
報酬の種類 報酬の内容 交付資産 損金算入可否
(現行制度)
平成29年度改正
リストリクテッド・ストック (RS) 一定期間の譲渡制限が付された株式を役員に付与。 株式 可能 可能
(①類型)
株式交付信託 会社が金銭を信託に拠出し、信託が市場等から株式を取得。一定期間経過後に役員に株式を付与。 株式 不可 可能
(①類型又は②類型)
ストックオプション (SO) 自社の株式をあらかじめ定められた権利行使価格で購入する権利(新株予約権)を付与。 新株予約権 可能 可能
(①類型又は②類型)
パフォーマンス・シェア (PS) 中長期の業績目標の達成度合いに応じて、株式を役員に付与。 株式 不可 可能
(②類型)
パフォーマンスキャッシュ 中長期の業績目標の達成度合いに応じて、現金を役員に付与。 金銭 可能(利益連動の場合のみ。一定の手続が必要) 可能
(②類型)
ファントム・ストック 中長期の業績目標の達成度合いに応じて、株価相当の現金を役員に付与 金銭 不可 可能
(②類型)
退職所得 退職時に給付する報酬 金銭・株式・新株予約権 可能 可能
(業績連動の場合は②類型の要件を満たすことが必要)
  • ①類型…一定の時期に確定した金額又は数を交付する役員給与等。税務署への事前届出が必要。 (法法34①二)
  • ②類型…1年以上の期間の業績に連動した金銭、株式等を交付する役員給与等。報酬委員会の決定や有価証券報告書での開示等の手続が必要。 (法法34①三)

出所:「平成29年度税制改正について」平成28年12月(経済産業省)を基にデロイト トーマツ税理士法人作成

① 定期同額給与

定期同額給与については、税金(源泉所得税等)および社会保険料の源泉徴収の後の手取金額が同額である場合も、定期同額給与に該当することとなりました。