- 2026. 01.09
- 予実管理
- 管理会計
- 業務改善・業務効率
予算管理を効率化するには?
3つの課題と具体的な方法を解説
予算管理は、企業の成長を支える重要な業務です。企業規模が拡大し、部門や拠点が増えるにつれて、運用の非効率や情報の分断が生じやすくなります。この記事では、予算管理の効率化が求められる背景から、課題、解決するための具体的な方法までをわかりやすく解説します。
- 目次
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予算管理とは
予算管理とは、企業が事業目標を達成するために策定した予算に対して、実際の収支や経費の執行状況を管理し、適切にコントロールする一連の業務を指します。具体的には以下のプロセスで構成されます。
1. 予算策定(予算編成):事業計画に基づき、部門ごとの売上目標や経費予算を設定する。
2. 予実管理:毎月または四半期ごとに実際の数値と予算との差異を把握、原因分析を行い、必要に応じて予算の修正や対応策の検討を行う。
3. 報告・可視化:経営陣や部門責任者への報告資料を作成する。
予実策定や予実管理については、以下で詳しく解説しています。
予算管理の目的
予算管理の主な目的は、経営目標を達成するために限られた経営資源を効果的に配分し、各部門の活動を適切な方向へ導くことです。
予算は各部門や担当者の業績を客観的に評価する指標となり、予算と実績の差異を早期に発見することで経営リスクを最小化することができます。
予算管理の効率化が求められる理由
市場の変化が激しい現在、経営判断を迅速かつ的確に行うことが企業の競争力を左右します。しかし、予実差異の把握や集計作業に時間がかかると、経営層が適切な判断を下すタイミングを逃してしまい、成長機会や収益チャンスを失うリスクが高まります。また、予算の進捗状況をリアルタイムで把握できないと、問題の早期発見や対応が後手に回るおそれがあります。こうした状況を回避するためには、データ集計のスピードを高め、運用の柔軟性を確保しながら、予算管理全体の効率化を図る必要があります。
予算管理の効率化を阻む3つの課題
予算管理が非効率になる背景には、次のような課題が存在します。
フォーマットやルールのばらつき
企業が成長する過程で、各部門が独自の予算管理方法を採用しているケースは少なくありません。部門ごとに異なるテンプレートを使用していると、予算項目や承認フローが統一されず、部門ごとに異なるテンプレートを使用していると、予算項目や承認フローが統一されず、全社の予算を集計・確認する際に多くの手間と時間がかかります。
手作業への依存
いまだに多くの企業では、Excelなどのスプレッドシートを使った予算管理が主流です。各部門から提出されたファイルを手作業で集計し、コピー&ペーストを繰り返す中で、数式のエラーや入力ミスが発生しやすくなります。特に、独自マクロが含まれている場合は属人化が進み、修正が困難になることもあります。また、担当者が変わると、担当者が変わると引き継ぎに支障をきたすおそれもあります。
システム間のデータ分断
予算管理に必要なデータが複数のシステムに分散していることも、煩雑化の大きな要因です。たとえば、売上実績は販売管理システム、経費は会計システム、人件費は給与計算システムといった具合に、情報がバラバラに存在します。これらのデータを集めるだけでも手間がかかり、迅速な集計や分析が難しくなります。
リアルタイムで予算と実績の比較ができなければ、現場へのフィードバックも遅れやすくなります。その結果、機会損失や対応の遅れにつながるおそれがあります。
また、こうしたデータの分断は、部門間で情報が共有されず、各部門が独立して機能する「サイロ化」を引き起こすこともあります。
サイロ化については、「サイロ化とは?発生する原因や問題、解消するための方法をわかりやすく解説」で詳しく解説しています。
予算管理を効率化する方法
効率的な予算管理を実現するための具体的な方法を紹介します。
フォーマット・ルールの標準化
全社共通で使える予算テンプレートを作成し、勘定科目や予算項目の分類ルールを明確化することで、予算集計の工数を大幅に削減できます。また、予算申請・承認のプロセスとルールを文書化し、現場の実務担当者を巻き込んで設計することで、シンプルで運用が続く仕組みを構築できます。標準化されたフォーマットとルールにより、データの品質が向上し、部門間の比較が容易になるだけでなく、担当者変更時の引継ぎも楽になります。
データ連携ツールの導入
複数の部門・システムにまたがるデータを手作業で集計している場合、データ連携ツールを導入することで大幅な業務効率化が可能です。たとえば、販売管理システムや会計システム、給与システムなどから必要なデータを自動で収集・変換し、予算管理用のフォーマットに統合することができます。これにより、転記ミスや集計漏れのリスクが減るだけでなく、リアルタイムに近いタイミングで予実分析を行うことも可能になります。
予算管理システムの導入
さらに高度な効率化を目指すなら、予算管理システムの導入も選択肢のひとつです。
予算編成、進捗管理、差異分析などのプロセスを一元的に管理できる機能を備えています。例えば、Excelでは実現が難しいバージョン管理やアクセス権限の制御、リアルタイムのダッシュボード表示などが可能です。
システムの選定にあたっては、費用だけでなく、自社の業務フローに合った柔軟な設計が可能かどうかも重要な検討ポイントとなります。
システム選定のポイントについては、「予実管理システムで何ができる?導入のメリット・デメリット、選び方を解説」で詳しく解説しています。
ERP・会計システム・BIツールの活用
既にERPや会計システムを導入している場合は、蓄積された実績データを予算管理プロセスと連携させることで、より効率的な運用が可能になります。既存の仕組みを活かすことで、追加のシステム投資を抑えながら、予算編成や予実分析にかかる手間を削減できます。
さらに、BIツールを併用することで、予算と実績のデータを視覚的に分析できるダッシュボードを構築でき、経営層への報告資料の作成もスムーズになります。
各システムについては、以下で詳しく解説しています。
効率的な予算管理が企業の競争力を支える
効率的な予算管理は、迅速な経営判断を可能にし、企業競争力を高めることにつながります。煩雑な予算管理を放置すると、機会損失や属人化などのリスクが高まります。自社の状況に応じて、標準化、データ連携、既存システムの活用、専用システムの導入など、適切な方法をまずは検討してみましょう。
ICSパートナーズでは、お客様のシステム環境や業務課題に応じて、「OPEN21 SIAS」や「予算管理 fusion_place ソリューション」など、最適な経営データ統合ソリューションをご提案しています。予算管理の効率化をご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。