• 2016. 08. 22
  • 税制改正ポイント

平成28年度 税制改正のポイント

デロイト トーマツ税理士法人
渡辺 寛己

1. はじめに

皆さん、こんにちは。デロイト トーマツ税理士法人の渡辺です。今回は「平成28年度 税制改正のポイント」をわかりやすく解説します。このコラムを通じて、読者の皆さんが、税務に関する理解を深め、日々の業務に生かしていただけることを願っています。

2. 平成28年度 税制改正のポイント

毎年行われる税制改正ですが、改正内容を理解することは、とても大変な作業であると思います。今回は平成28年度税制改正項目のうち、皆さんの会社にとって特に影響が大きいものを取り上げていきます。

平成28年度の税制改正は、平成26年度、平成27年度のように大きな改正はなく、改正項目の多くについて、平成27年度税制改正と重複する部分があります。「稼ぐ力」のある企業の税負担を軽減し、前向きな投資や、継続的・積極的な賃上げが可能な企業体質への転換を促すことが、今回の税制改正の目的となっています。

具体的な施策としては、平成27年度税制改正による「法人税率の引下げ」をさらに推し進め、平成28年度には、今回の税制改正の最大の目的である、法人実効税率の20%台への引下げが実現されることとなりました。また、これに伴い、財源確保のために外形標準課税のさらなる拡大や、減価償却方法の変更等の課税ベースの拡大が実施されました。

税制改正のポイント 基本的考え方

また、平成27年度税制改正により、消費税率が10%に引き上げられるとともに、平成28年度税制改正において、消費税の軽減税率及びインボイス制度が導入されることとなっていました。しかし、6月1日の記者会見で、安倍首相は、消費税増税を2年半再延期し、軽減税率の導入も増税時まで延期する方針を表明しました。

これを受けて、政府は、消費税率10%への引上げを平成31年10月からに再延期するための関連法案を、今秋の臨時国会で成立させる見込みです。