- 2026. 04.23
- 経理DX
- IT化
- 経営管理
DXと経営戦略を連動させる方法とは?
手順・ポイントを解説
DXを推進しているものの、経営目標との接点が見えにくいケースは少なくありません。IT部門主導でシステム導入は進んでいるものの、経営戦略と切り離されたままでは、DX本来の力は発揮されにくいでしょう。
本記事では、DXと経営戦略の関連性を整理したうえで、両者を連動させるための方法やポイントを解説します。
- 目次
-
DXと経営戦略の関連性とは
DXという言葉が浸透する一方で、「新しいシステムの導入」や「業務のデジタル化」と同義に使われるケースは今なお少なくありません。しかし、DXの本質は単なるデジタル化ではなく、データと技術を活用したビジネスモデルの変革にあります。
その変革が目指す先にあるのが、経営戦略の実現です。経営戦略に基づく経営計画で掲げた売上成長率や営業利益率、事業別収益性などの目標も、それを正確かつ迅速に把握できる管理基盤がなければ実効性を持ちにくくなります。
DXは、経営戦略の目標を日々の経営管理に落とし込み、データに基づいて実行・検証できる仕組みを整える取り組みといえます。
経営管理については、「経営管理は効果的な組織運営に貢献!基礎知識からポイントまで解説」で詳しく解説しています。
DXと経営戦略の連動が不可欠な理由
経営戦略との結びつきを欠いたDXは、投資対効果が見えにくい取り組みにとどまる可能性があります。その理由は大きく2つあります。
経営戦略の実行力を高めにくい
経営環境の変化が加速するなか、戦略の実行・修正を迅速に回すには、データを経営判断に直結させる仕組みが欠かせません。しかし、DXが経営戦略と切り離されたまま進むと、整備したデータが現場の業務効率化にとどまり、経営判断には十分活用されないまま終わってしまいます。特にデータがサイロ化している状態では、全社的な意思決定に必要な情報が揃わず、戦略の実行スピードそのものが損なわれます。
データを経営判断に反映させるデータドリブン経営については、「データドリブン経営とは?メリットや実現のステップを解説」で詳しく解説しています。
データのサイロ化については、「サイロ化とは?発生する原因や問題、解消するための方法をわかりやすく解説」で詳しく解説しています。
DX投資の優先順位が定まらない
DXへの投資は、規模が大きくなりがちです。「どの経営課題を解決するための投資なのか」「どのKPIをどの水準まで改善するのか」が明確でなければ、DXへの投資に優先順位を定めることはできません。
経営戦略とDX施策を連動させることで、投資判断の基準が明確になり、限られた経営資源を効果の高い領域に集中することが可能になります。
DXを経営戦略に連動させる基本的な手順(3ステップ)
DXを経営戦略と連動させるには、以下のステップで進めることが重要です。
ステップ1: 戦略と現状のギャップを可視化する
まずは、自社の経営戦略が描く「あるべき姿」と、現状の業務・データ・組織の実態との間にあるギャップを把握します。例えば、「事業別収益性の改善」という戦略目標があるにもかかわらず、事業別のコスト構造を把握できるデータ基盤が整っていない、といった課題を洗い出します。現場の業務フロー、データの分断状況、意思決定プロセスを整理しながら可視化することが、DX施策の出発点となります。
ステップ2: DX施策を経営計画と連動させる
ギャップが明確になったら、その課題を埋めるためのDX施策を設計し、経営戦略の目標と結びつけます。
多くの企業では、経営戦略は中期経営計画として具体化され、売上成長率や営業利益率などの数値目標、重点投資領域、事業ポートフォリオの見直し方針などが明示されています。DX施策は、これらの目標達成にどのように貢献するのかという視点で整理することが重要です。
例えば、「事業別収益性の向上」を中期経営計画で掲げているのであれば、販売・製造・経理データを統合し、事業別の損益をタイムリーに把握できる仕組みを構築する、といった形でDX施策をひもづけます。
ステップ3: KPIを戦略と接続する
DXが経営戦略の実行に貢献しているかを判断するには、KPIを戦略および経営管理の仕組みと接続させる必要があります。
まず、中期経営計画で掲げた最終的な財務目標や事業目標から逆算し、それを支える管理指標へと分解します。あわせて、部門ごとの施策と全社KPIとの関係性も整理しておきましょう。
【経営目標に連動したDX施策とKPIの具体例】
| 経営目標 |
DX施策 |
経営目標に連動したKPIの例 |
| 事業別収益性の改善 |
販売・製造データの統合 |
事業別粗利率、原価差異 |
| 意思決定スピードの向上 |
経営ダッシュボードの整備 |
経営レポート作成時間の短縮 |
| 顧客満足度の向上 |
顧客データの一元管理 |
リピート率、解約率 |
経営目標に連動した指標については、「経営指標とは?種類・計算方法・活用ポイントを解説」で詳しく解説しています。
DXを経営戦略と効果的に連動させるポイント
DXを経営戦略と密に連動させることで、経営管理の高度化が実現します。次のポイントを押さえましょう。
部門横断のデータ統合基盤の整備
DXと経営戦略を連動させるうえで避けて通れないのが、部門横断で活用できるデータ統合基盤の整備です。
経営指標・KPIと現場データを接続するには、営業・製造・人事・経理など各部門のデータを共通の基盤上でつなぐことが前提になります。各部門のデータを同じ指標・同じ定義で収集・管理できる基盤があることで、部門最適ではなく全社最適の視点でDXを推進できるようになります。
各部門のデータをつなぐ基盤としては、データ統合に強い会計システムやERP、データ連携ツールなど複数の選択肢があります。それぞれの違いや特徴については、「ERPと会計システムの違いとは?最適なシステムを選ぶための基礎知識」や「データ連携ツールとは?機能や種類、選定時のポイントをわかりやすく解説」を参考にしてください。
進捗をスピーディに把握できる体制の整備
DXが経営戦略に貢献しているかを継続的に確認するには、戦略の進捗をリアルタイムで把握し、迅速に軌道修正できる体制が必要です。経営層が必要なタイミングでダッシュボードを確認し、全社・部門別・事業別の指標を即座に把握できる環境が重要です。DXの優先順位の見直しや投資判断を機動的に行えるようになります。
経営ダッシュボードについては、「経営ダッシュボードとは?作り方から活用方法まで、データ活用で意思決定を加速する方法」で詳しく解説しています。
DXと経営戦略の連動は経営管理の高度化につながる
DXと経営戦略の連動は、IT部門だけで完結する施策ではなく、経営管理の高度化につながる重要なテーマです。本記事で解説したように、戦略と現状のギャップを可視化し、DX施策を経営計画と結びつけ、KPIまで接続することが、DXを成果につなげるうえで欠かせません。
これらを実行に移すには、部門横断でデータを活用できる経営基盤の整備が前提となります。ICSパートナーズの会計システム「OPEN21 SIAS」は、販売・購買・人事など各種業務システムとのデータ連携に優れたソリューションです。BIツール機能も搭載しており、ダッシュボードを通じてKPIなどの非財務情報を含んだ経営指標をリアルタイムに把握できます。
DXによる経営管理の高度化にご関心のある方は、まずはお気軽にご相談ください。