• 2016. 08. 22
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平成28年度 税制改正のポイント

デロイト トーマツ税理士法人
渡辺 寛己

(8) 消費税の軽減税率制度及び適格請求書等保存方式の導入

① 消費税の軽減税率制度

消費税率10%への引上げに伴う低所得者対策として、増税時から消費税の軽減税率制度を導入することとされました。しかし、消費増税の再延期によって、軽減税率の導入も延期される方針となっています。

あわせて、複数税率制度の下において適正な課税を確保する観点から、仕入税額控除の方式として、平成33年4月1日から適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)が導入されます。

それまでの間については、現行の請求書等保存方式を基本的に維持しつつ、区分経理に対応するための措置を講ずることとされました。

軽減税率の対象となる課税資産の譲渡等は、以下の図の通りです。軽減税率は6.24%(地方消費税と合わせて8%)とされています。

軽減税率の対象品目のイメージ
適用時期
消費税10%増税時に、軽減税率が導入されることとなっています。

② 適格請求書等保存方式(インボイス制度)の導入

軽減税率の導入に伴い、平成33年4月1日から、適格請求書等保存方式(いわゆる「インボイス制度」)が導入されます。

適格請求書等保存方式の導入に際し、適格請求書発行事業者登録制度を創設し、原則として「適格請求書発行事業者(適格請求書発行事業者登録制度による登録を受けた事業者) 」から交付を受けた「適格請求書」又は「適格簡易請求書」の保存が、仕入税額控除の要件とされます。

  現行 改正後
課税仕入に係る帳簿記載事項
  • a. 課税仕入の相手方の氏名または名称
  • b. 課税資産の譲渡等を行った年月日
  • c. 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
  • d. 課税仕入に係る支払対価の額
  • a. 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  • b. 課税資産の譲渡等を行った年月日
  • c. 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
  • d. 課税仕入に係る支払対価の額
  • e. 軽減対象課税資産の譲渡等に係るものである旨
保存要件 請求書等保存方式における請求書等の保存 適格請求書発行事業者から交付を受けた適格請求書の保存
適用時期
平成33年4月1日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等及び課税仕入並びに保税地域から引き取られる課税貨物について適用されます。

3. おわりに

今回のコラムはいかがでしたか。平成28年度税制改正のうち、主な改正点について解説しました。税制改正の内容について、自社に影響のある改正の内容を把握することはできましたでしょうか?

以上のとおり、改正の内容によっては法人の規模や種類によって有利になる場合と不利になる場合があるため、これを機会に改正による影響額を試算されてみてはいかがでしょうか。

なお、消費税については、税率引上げの再延期があり、改正内容はこれから変更となる可能性が大いにあります。今後の税制改正の動向を注視する必要があります。

本記事の内容は、現時点の情報に基づく一般的な事項の記載にとどまります。したがって、本記事で説明した税制等の適用を前提とした取引等を実施される場合は、個別の事実関係を踏まえて、専門家の助言を得る事が必要です。なお、会員又は本記事を入手された方が、本記事の内容に依拠した事によって生じた損害等については執筆者・所属法人は一切の責任を負いません。