• 2026.02.20
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【経理のデータ連携】
効率化する3つの方法・進め方のポイントを解説

【経理のデータ連携】効率化する3つの方法・進め方のポイントを解説

経理部門では、会計システムや経費精算システム、販売管理システムなど、複数のシステムを日々使用しています。しかし、これらのシステム間でデータが分断されていることで、同じデータを何度も入力する手間や、入力ミスのリスクが発生していませんか。こうした課題を解決する鍵となるのが「データ連携」です。本記事では、経理業務におけるデータ連携の基本から課題、効率化するメリット、代表的な連携方法、そして効率化を円滑に進めるポイントまで幅広く解説します。

目次

経理業務のデータ連携における課題とは

多くの企業では、会計システムや販売管理システム、経費精算ツールなど、複数の業務システムを導入しています。しかし、すべてのデータがシステム間で自動的に連携されているケースは多くありません。

その結果、各システムから出力したExcelやCSVファイルを、人手で加工・整形し、別のシステムへ取り込む運用が一般的になっています。本来システムが担うべきデータ連携の役割を、ExcelやCSVファイルが代替している状態は、大きな課題といえるでしょう。

このような運用では、部門や拠点ごとにファイル形式や管理方法が異なり、加工ルールや判断基準も担当者ごとに属人化しやすくなります。

結果として、最終的なデータ集約や確認作業が経理部門に集中し、作業負荷の増大やミスの発生、決算業務の停滞につながっているケースも少なくありません。

近年、決算業務のスピードを高める決算早期化や、経営データのタイムリーな提供が求められるなか、こうした課題を解消し、データ連携の効率化を進める重要性がますます高まっています。

決算早期化については、「決算早期化が求められる背景とメリットとは?ボトルネックや解決方法を解説」で詳しく解説しています。

経理のデータ連携を効率化する5つのメリット

経理のデータ連携を効率化した場合、次のようなメリットがあります。

メリット1:決算早期化の実現

データ連携により、経費精算や請求書処理などの膨大なデータを自動的にシステムに取り込めるため、経理担当者の作業負担を大幅に減らすことができます。グループ会社や他拠点からのデータも自動的に収集・集計されることで、月次決算の早期化が実現し、経営層への報告スピードが格段に向上します。削減できた時間を財務分析や経営企画といった付加価値の高い業務に振り向けられるでしょう。

メリット2: データ品質の向上

手作業でのデータ入力では、金額の桁違い、勘定科目の選択ミス、転記漏れなど、一定の割合でヒューマンエラーが発生します。データ連携では、システム間で定義されたルールに基づいてデータが自動的に変換・転送されるため、人的ミスを大幅に削減できます。特に毎月大量の仕訳を処理する企業では、ミスの削減により月次決算のやり直しや修正仕訳といった追加作業が不要になり、データの信頼性が向上するでしょう。

メリット3: 業務の標準化

データ連携によって業務プロセスが明確化されることで、作業手順や判断基準が可視化されます。個人のスキルに頼っていた業務が標準化され、引き継ぎや教育がしやすくなります。その結果、担当者が変わっても業務品質を維持でき、組織として安定した運用が可能になります。ベテラン社員の退職時にも業務が滞らず、後任者への引き継ぎもスムーズになるでしょう。

メリット4: 経営判断の迅速化

従来は各部門からデータを集めて集計するまでに数週間かかることも珍しくありませんでした。データ連携により、こうした待ち時間が大幅に短縮され、経営層は最新の財務状況を把握しやすくなります。客観的なデータに基づいて意思決定を行うデータドリブン経営が求められるなか、迅速かつ的確な経営判断が可能となり、市場環境の変化にも素早く対応できるでしょう。

データドリブン経営の考え方や進め方については、「データドリブン経営とは?メリットや実現のステップを解説」で詳しく解説しています。

メリット5: ガバナンスの強化

データ連携により、誰がいつどのデータを処理したかという証跡が自動的にシステムに記録されます。これにより、データの改ざんや不正な処理を防止でき、内部統制を強化できます。

承認フローもシステム化されることで、適切な権限者による承認が確実に行われます。監査対応においても必要な証拠資料を迅速に提示できるため、監査工数の削減にもつながります。

経理のデータ連携を効率化する3つの方法

経理のデータ連携を効率化するには、連携作業の自動化が効果的な手段となります。ここでは、代表的な3つの方法を紹介します。自社の業務規模やシステム環境、予算に合わせて適切な方法を選択することが重要です。

方法1: RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)

RPAは、企業内で繰り返し行われる定型的な業務や作業を、ソフトウェアロボットによって自動化する技術です。レガシーシステムにも対応可能で、既存のシステムを変更することなく、画面操作を模倣して処理を自動化できる点が特徴です。

比較的短期間で導入でき、段階的に自動化の範囲を拡大しやすいため、スモールスタートにも向いています。

ただし、画面仕様の変更に弱くメンテナンスが必要なことや、リアルタイム連携には不向きなケースがある点には注意が必要です。

RPAについては、「RPAで経理・会計業務の効率化を!導入メリットや活用のポイントを紹介」で詳しく解説しています。

方法2: API連携

システム同士がプログラムを介して直接データをやり取りする方法です。リアルタイムまたはそれに近い形でデータの同期が可能となり、人の手を介さない完全な自動化を実現できます。

ただし、システム側がAPIを公開している必要があるほか、連携仕様の把握やエラー時の対応などで、一定のIT知識や開発リソースが求められる点には注意が必要です。社内に開発担当者がいる、または外部に委託できる体制がある場合には、有効な連携方法と言えるでしょう。

方法3: データ連携ツール(EAI・ETL)

データ連携ツールは、プログラミング知識がなくても異なるシステム間のデータ変換や転送を設定できるツールです。主に次の2種類があります。

  • EAI(Enterprise Application Integration)
    企業内の複数システムをリアルタイムで連携させ、業務プロセスを自動化するツール
  • ETL(Extract, Transform, Load)
    BIツールやDWH(データウェアハウス)といったデータ分析ツールにバッチ処理でデータを集約するツール

既存システムの構成を変えることなく導入でき、複雑なデータ変換や業務フローの見直し、組織再編などにも柔軟に対応することが可能です。

初期費用やランニングコストが発生しますが、既存システム環境の改修を最小限にとどめたい場合やIT部門のリソースが限られている場合には、現実的で効果的な選択肢となります。

データ連携ツールについては、「データ連携ツールとは?機能や種類、選定時のポイントをわかりやすく解説」で詳しく解説しています。

経理のデータ連携を自動化した場合の具体的な変化

システム間でデータが自動的につながる状態へ移行することで、経理業務の進め方は大きく変わります。具体的な変化の一例を紹介します。

  • 経費精算システムで承認されたデータが、自動的に会計システムへ仕訳として登録されている
  • 販売管理システムの売上データが、会計システムに自動で取り込まれている
  • 給与システムの人件費データが自動連携され、仕訳作成までが一連の流れで完結している
  • システム間のデータ送信やフォーマット変換が自動化され、手作業による加工が発生していない
  • グループ各社の会計データが本社システムに自動集約され、集計作業に追われることがない

このように、経理部門はデータ加工や転記作業に追われることがなくなり、データの確認や分析といった本来注力すべき業務に時間を使えるようになるでしょう。

経理のデータ連携の効率化を円滑に進めるポイント

経理のデータ連携は、業務や組織の実情にあった進め方を意識することが必要です。ここでは、円滑に進めるポイントを紹介します。

自社の業務・規模に合った連携方法を選ぶ

データ連携の方法は、業務内容だけでなく、社内のリソースや予算、運用体制によって最適な方法が異なります。

連携すべきデータの範囲、導入・運用コスト、セキュリティ、サポート体制、社内リソースなども含め、複数の視点から総合的に判断することが重要です。

データ連携の目的を明確にする

データ連携は移行期に現場の抵抗感が生じやすいため、「何のために行うのか」という目的を事前に共有することが重要です。処理時間の削減やミスの低減など具体的なゴールを設定し、まずは導入効果を実感しやすい一部の業務から段階的に導入すると効果的です。導入後は効果測定を行い、その結果をもとに連携範囲や設定を見直すことで、継続的な改善につなげましょう。

現場に定着する運用体制を整える

データ連携は、導入できても現場に定着しなければ意味がありません。操作方法やエラー時の対応についてマニュアルを整備し、担当者への教育を行うことでスムーズな移行が可能です。

また、属人化を防ぎ、担当者が変わっても業務が滞らないよう、誰でも同じ方法で運用できる標準化された体制を構築することが重要です。

データ連携の自動化で経理業務の効率化を進めよう

経理のデータ連携は、人手不足や業務量の増加を背景に、自動化による業務効率の向上が強く求められています。RPAやAPI、データ連携ツールなど複数の選択肢から、自社に合った方法を見極めることが重要です。

特に、グループ経営や他拠点とのデータ連携においては、体制変更や業務フローの見直しといった変化に柔軟に対応できることが、円滑な導入と定着の観点から欠かせません。

ICSパートナーズの会計特化型連携ソリューションである「会計マエストロ」は、新たなシステム間連携やデータ加工の変更にも追加開発を最小限に抑えて対応できるため、多拠点展開や海外法人を含むグループ経営にも有効な選択肢となります。

ICSパートナーズでは、お客様のシステム環境や業務課題に応じて、さまざまなデータ連携ソリューションをご提案しています。データ連携にお悩みの際は、お気軽にご相談ください。