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第3回「会計ERP」の時代へ

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クローズされた専用システムからオープン系へ。会計システムはWindowsの普及と共にデータの連携力、親和性が格段に向上していきます。POSなどで上がってきたデータをまとめて月次単位で制度会計に移し替えたり、データ集計のルールが決まっていれば、発生したデータをそのまま会計システムに持ってきたり、自動で連携させることも可能になりました。

ネットワークの利用が容易になり、クライアントPCも低コストで導入・配置できるようになったので、各地の支店や事業所など遠隔地の拠点からネットワークを通じてデータを簡単に収集し、本社・本部にて一元管理できるようになったことも大きな変化といえるでしょう。今までなら遠隔地からは紙でデータを送ってもらっていましたが、ネットを介することにより、各現場で発生している会計データをリアルタイムで把握・集計・分析できるようになったのです。モノ、コト、金の動きをほぼ時差ゼロにてモニターリングできることが経営の意思決定に新たな環境を提供したことはいうまでもありません。

そしてこのような環境が整ってくると、そのメリットを積極的に活用する動きが広まっていきます。当然ながら、活用に向けた要望、要求度も高度化していきます。そこでICSでは、管理会計システムの仕組み、及び基本構造の見直しにいち早く着手。
“decision engine(デシジョン・エンジン)”を開発コンセプトとした新たな会計システム、会計ERP『OPEN21 de』を開発しました。『INPACT-NEXT』の頃よりお客様に提供していた管理会計機能をさらに進化させ、意思決定=decisionの新たな駆動力となることを願って命名。システムとしては「会計情報」という新たな概念を取り入れ点が大きなポイントです。

会計伝票は、極論すると、何時、何に、幾ら(金額)使ったかが分かれば決算書ができてしまいます。
『OPEN21 deシリーズ』では、これに加え、どの部門が、何のプロジェクトで、どこの取引先に対して使ったのか、会計伝票だけでは掴みにくかったより子細な関連情報を含めた「会計情報」として把握できるようにしました。それを可能にしたのが、従来比約2倍ものフィールド管理を可能にしたシステム構造とさまざまな拡張機能の実現です。

会計情報は事業活動、企業活動の有り様を映し出す鏡のようなものです。会計伝票を「会計情報」という形に進化させ、会計データの背景にあるさまざまな情報や内訳情報を容易に管理し、取り出せるようにしたことで、本社・本部での意思決定はもとより、各拠点の仕事現場にフィードバックすることができるようになりました。さまざまなものを紐づけて、その背景にまで踏み込んで分析できるようになったことで、単年度では経費の妥当性の検証などが可能になり、長期では投資の適正度の判断にも役立てることが可能になりました。『OPEN21 deシリーズ』は、“一歩先行く会計ERP”をキャッチフレーズとして掲げていますが、従来の管理会計をより実践的なツールに変えるものになったものと自負しています。

『OPEN21 de』シリーズは、バージョンアップを重ね、現在、『OPEN21 de3』をご提供しています。おかげさまで多くの企業様にご導入いただき、経理部門様はもとより経営層の方々からも高い評価とご支持をいただいています。

このような中、情報ハンドリング領域のさらなる拡張・深化を求める声が一部のお客様から聞かれるようになりました。意思決定ツールとして今や重要なポジションを担うまでになった管理会計機能。それゆえに、意思決定現場からの逆算の形で、ここまでできないものか、このようなことまでできれば・・・といったニーズ。お客様のニーズの深化に、私どもICSはどのような進化で応えていくことができるか。次回にて触れたいと思います。

第4回「コックピット経営」の実現へ

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