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第1回 会計システムの誕生

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企業にとって決算業務はマスト業務です。納税や株主などへの対外的な報告、経営結果の説明責任を果たすために法律・規則で定められた形式にて決算報告を作成、提出しなければなりません。いわゆる財務会計=制度会計(Institutional accounting)への対応です。

財務会計にあたっては、専門的で膨大な事務作業が必要とされ、また最高水準での事務精度が要求されます。
業務精度の向上と業務効率の向上をいかに改善するかが多くの企業の課題でした。
もちろん人手では限界があります。
ルールが決まっていることを効率的に処理することを得意とするのがコンピューター。
折りしも時代はオフコン(オフィス・コンピューター)黎明期。コンピューターを活用した会計システムが世に産声をあげます。

会計システムは、税法と会計基準をしっかり理解し、それらを網羅した仕様のなかで設計されていくシステムです。

初期の会計システムは、会計伝票⇒会計帳簿⇒決算書という組み立てで成り立っていて、帳簿・決算書の作成が主業務で、手作業業務を大幅に改善することに主眼が置かれました。

会計システム専門メーカーとして誕生した私たちICSがとくに重視したのは操作性と出力帳表です。
正しいデータを入力しない限り、正しい集計はできません。正しい文字入力をしない限り、会計帳簿としての役割が果たせません。しかし、この正しい文字入力に意外と手間取っていました。

若い方には信じられない世界でしょうが、当時のワープロ入力では、平気で変な変換文字がよく出てきていました。熟語変換もかなり心許ない状況でした。

そこで日本語入力になるべく手間をとられないようなしくみをつくりあげていこうというのがICSの掲げたテーマでした。

この科目の場合、どういった摘要が出てくるのかを、連想し候補表示し選択することで入力効率をあげる「連想摘要」というしくみもこの頃につくりあげ、1982年1月、独自の連想摘要入力システムを実装した財務専門オフコンNicシリーズとして発売し高い評価をいただきました。

1985年4月には、さらに経営分析・資金管理などのサブシステムを実装したICS総合財務管理システム『INPACT』を完成。財務会計に対応したシステムをさらに磨き高めていきました。

しかし、決算業務で扱う会計関連情報を財務会計用のものだけにとどめて良いのだろうか。企業としての次の一手、さらにその先の一手を考えていくうえで会計情報を活かせないだろうか。そのようなニーズが広がっていきます。いわゆる「管理会計」の考え方です。

考え方及び需要は以前よりあったのですが、システムの未成熟などもあり、なかなか具体化できていなかったのが実情でした。それがいよいよ叶うようになったのです。

管理会計の時代、ICSはどのように動いたか。次回をぜひご覧ください。

第2回「管理会計」の始動