• 2023. 07. 24
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経理業務をRPAで効率化!
活用方法や導入メリット、成功のポイントをご紹介

経理業務をRPAで効率化!活用方法や導入メリット、成功のポイントをご紹介

経理業務にはシステムやPCを使用した定型作業が多くあります。業務効率化を目指す企業では、RPA(Robotic Process Automation)を導入して定型作業の自動化を検討している場合もあるでしょう。しかし、具体的にどのような業務を自動化できるのか、またどのように導入すべきか迷うこともあるかもしれません。

本記事ではRPAの概要を再確認しながら、経理業務におけるRPAのメリットや活用するポイントを解説します。

目次

RPAとは

RPAは、組織内で繰り返される定型業務やタスクをソフトウェアロボットによって自動化する技術です。ソフトウェアロボットによる業務プロセスの自動化は、ヒューマンエラーやタスクの遅延を減らし、生産性を向上させます。またRPAは、既存のシステムとの連携が容易であり、既存のITインフラに依存するため、短期間で導入できる利点も着目すべきでしょう。

企業では、経理業務や人事業務、顧客サービス、在庫管理など、さまざまな業務領域で利用されています。経理業務では、仕訳の作成や請求書の処理、データが一致しているかの確認などに活用され、生産性の向上に貢献します。

RPAは特定のルールに基づいて作業を自動化し、複数のシステムやアプリケーションとの連携を容易にします。柔軟性と拡張性を備え、手順が決まっている多数の業務に対応可能です。それによって従業員はより戦略的な業務に注力できるでしょう。

RPAの導入には、業務プロセスの分析と設計、ソフトウェアロボットの開発と設定、セキュリティの考慮、監視と管理などの要素が含まれますので、場合によっては難易度が上がることもあるでしょう。しかし、RPAを使いこなせれば、効率性と生産性の向上を実現できる可能性が高まります。従業員の負荷を軽減し、戦略的な業務に集中できるようになることが期待できるのです。

RPAで自動化が期待できる経理業務

経理業務においてRPAの適用が可能な作業は以下のとおりです。

仕訳の作成と転記

RPAは、日々の取引データから必要な仕訳を自動的に作成し、会計システムに転記します。取引データの抽出、整形、および正確な仕訳の作成を自動化することで、エラーを減らし、作業の効率性を向上させます。

出入金管理

取引銀行のサイトへアクセスし、口座の出入金データを自動でダウンロード。もしくは、出入金データと帳簿を突き合わせて「支払」「請求」などの消込を行うことで、出入金の漏れを防止します。

勘定科目の調整

月次や四半期の締め処理時には、仮払金や仮受金などの整理や、減価償却費の計上など、勘定科目の調整が必要です。RPAで所定のルールに沿って処理を自動化することで、精度の高い締め処理を実現するでしょう。

報告書の作成

経理部門では、さまざまな報告書を作成する必要があります。RPAを使用することで、データの収集や計算、フォーマット作成などの作業を自動化し、報告書の作成プロセスを迅速化できます。

データの一致確認と検証

例えば、銀行取引データや売掛・買掛データの一致確認や検証作業は繰り返されるタスクです。RPAを使用することで、データの自動抽出や比較、エラーの検出などを行い、データの整合性を確保します。


これらは一般的な例ですが、経理業務におけるRPAの適用範囲は広範であり、特定の組織や業務に合わせてさまざまな作業を自動化できます。経理業務におけるRPAの導入には、具体的な業務プロセスの分析と設計、システムとの統合、セキュリティの考慮などが必要です。

経理業務をRPAで自動化するメリット

経理業務をRPAで自動化することには、以下のようなメリットがあります。

効率化と生産性の向上

RPAにより、繰り返しの作業を自動化することで、時間と労力を節約できます。しかも、連続作業でも疲弊することはありません。従業員はより戦略的な業務に集中できるため、業務の生産性が向上します。

エラーの削減

データの抽出、処理、転記などの作業を人手によって行う場合、ときにはヒューマンエラーが発生する可能性があります。RPAを使用することでこれらの業務においてミスが減少し、正確な結果を得ることができます。

一貫性とコンプライアンスの向上

RPAは設定されたルールや手順に基づいて作業を実行するため、一貫性とコンプライアンスの確保に役立ちます。会計基準や規制に準拠する必要がある場合、それに沿ったRPAの設定をすることで、正確かつ一貫したプロセスの実現に寄与します。

拡張性と柔軟性

多くのRPAは可変性と拡張性に優れています。業務量の増加や作業領域を増やしたい、もしくはプロセスを調整したいといった場合に、柔軟かつ迅速な対応が可能です。

作業環境の向上

繰り返しの単調な作業をRPAに任せることで、従業員の働きやすさや作業環境が改善されます。従業員はより意義のある業務に集中できるため、モチベーションや満足度の向上にもつながるでしょう。


これらのメリットにより、RPAによる経理業務の自動化は組織にとって効果的であり、生産性向上と業務品質の向上に貢献することが期待されます。

経理業務でRPAを活用するポイント

経理業務でRPAを活用する際は、業務の洗い出しを行い、自動化する業務を明確にする必要があります。また、特定の小さな定型作業から試してみることをおすすめします。成功させるには、ベンダーの見極めや人材の育成なども大切です。ポイントは、以下のとおりです。

繰り返しのタスクと定型業務での活用

RPAは、繰り返し行われる業務の自動化に最適です。例えば、データ入力、仕訳の作成などが該当します。人間の手作業による処理では時間と労力がかかりやすい、これらの業務を切り出してRPAに割り当てることで、より大きな効果を得られるでしょう。

複数のシステムやアプリケーションの連携

経理業務では、さまざまなシステムやアプリケーション間でデータのやりとりが必要です。RPAはこれらのシステムやアプリケーションを連携させるための自動化を提供します。異なるシステムやアプリケーション間のデータ抽出、変換、転送などをRPAによって自動化することで、エラーやミスを軽減できます。

経理のルールを基にしたプロセス設計

経理業務は一般的に法律とルールに基づいています。入金額と請求書の突き合わせ、金額に間違いがないことを確認したら請求書を所定のフォルダに移動させたりします。RPAはこれらのルールをプログラム化し、自動的に処理できます。

大量のデータ処理

経理業務では、大量のデータを処理する必要があります。RPAは高速かつ正確なデータ処理を提供し、人間の手作業では困難なパフォーマンスを実現します。膨大なデータの集計、分析、報告などをRPAによって自動化することで、効率的にデータを扱うことができます。

データの精度と信頼性の確保

会計や財務に関連する経理業務では、データの正確性と信頼性が非常に重要です。RPAはプログラムに従って作業を実行するため、一貫した結果を提供し、ヒューマンエラーを最小限に抑えることができます。これにより、経理業務の品質とデータの精度を確保できます。


これらのポイントを考慮して経理業務でRPAを活用すると、効率化、正確性の向上、データ処理の迅速化などの利点を生かせます。ただし、RPAの導入には適切なプロセスの分析と設計、セキュリティの考慮、適切なトレーニングと監視などが必要です。

経理業務でのRPA活用ポイントを理解し、自動化を検討しよう

PCを使う定型業務をRPAに代行させることで、経理人材はコア業務に注力できます。人間にとって負担が大きくミスも発生しやすい定型業務のなかには、コンピューターが得意な業務があり、生産性の大幅な向上が期待できます。

本記事では、経理部門を対象に、RPAによって代行できる業務を紹介しました。どのような業務がRPAに向いていて、どれくらい生産性が向上するのかを検討したうえで、自社の業務に活用してはいかがでしょうか。