Page : [ 1 ] [ 2 ] [ 3 ] [ 4 ] [ 5 ]
| セミナーNO.07 |
法人税基本通達の廃止・削除項目を総点検する |
税制改正というと "新設" 項目に目が行きがちですが、先の法人税基本通達の一部改正で廃止・削除された項目には、役員給与に関するものを中心に注意を要するものがあるので、これらをまとめてみていきましょう。
平成19年3月13日、国税庁より「法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)」が発表されました(図表1参照)。 これは平成18年度税制改正に対応して改廃された、法人税関係法令の解釈指針です。
従来、税制改正というと新設された項目ばかりに目が行きがちで、廃止または削除された項目は、必要に応じて解説されていても、あまり気に留めていない人がいたように思われます。
しかし、この廃止・削除項目には、役員給与関係を中心に注意を要するものがあります。また、税務調査なども、法人税法や施行令、施行規則、そしてこの通達に基づいて行なわれます。
そこで本稿では、この3月に改正された通達のうち「法人税基本通達関係」の廃止・削除項目に絞り、一般的な中小企業に影響が大きいと思われるものを総点検し、税務処理がどのように変わったのかをみたいと思います。
なお本稿では、この3月に改正された通達を「改正後通達」、それ以前の通達を「改正前通達」と称します。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/kaisei/070313/00.htm
国税庁のトップページからたどる場合は、ページ左側メニューの「税法・通達等・質疑応答事例」をクリックして右側に表示される「法令解釈通達」をクリックし、法人税関係の基本通達の「一部改正通達」をクリックすると、一部改正通達の一覧が表示されます。
改正前通達には、「役員報酬の支給限度額の増額に伴う一括支給額」(9-2-9-2)というものがありました。
この項目は、役員報酬の支給限度額を過去にさかのぼって増額改定することについて定時株主総会で決議が行なわれ、かつ、その増額改定がその決議の日の属する事業年度開始の日以後のものについて行なわれるときは、さかのぼって一括支給された金額は、役員報酬として損金の額に算入できる、というものです。
しかし、この項目が改正後通達で廃止されたため、さかのぼって支給された金額は、損金の額に算入できないことになりました。
たとえば3月決算法人で、6月末日の株主総会で事業年度開始の日にさかのぼって役員給与の増額を決議し、4〜6月分の役員給与を7月に一括支給した場合、7月に支払った4〜6月分の一括支給額は損金の額に算入できないことになります(図表2)。
平成18年度税制改正で損金算入が認められた「定期同額給与」の要件とは、大前提として、支給時期が一か月以下の一定の期間ごとで、かつ、事業年度の各支給時期における支給額が同額である給与とされています。
また、事業年度開始の日から三か月を経過する日までに改定された定期同額給与で、改定前の各支給時期(その事業年度に属するもの)における支給額、および改定後の各支給時期における支給額が、それぞれ同額であるものも、定期給与として損金算入が認められています。
改正前通達9-2-9-2は、定期同額給与のこうした要件に合致しないため廃止されたのです。
Copyright (c) 2007 ICS partners. All rights reserved. |