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セミナーNO.06

"頼れる経理" になるための7つの処方箋

処方箋 その6 「事前調整と事後チェック」

段取り八分という言葉があるように、経理の仕事においても、他部門との事前調整や準備等はとても大切です。とりわけ、「他部門との基準の違い」という部分に注意して、経理が保有するデータとの差異を把握します。

たとえば、営業部門では売上目標を達成するため、経理が処理する売上とは別に、個々の営業部員が担当顧客ごとの売上高を把握しています。各顧客への請求額を営業部の基準として用いるのは、極めて一般的であり、かつ合理的なものです。

しかし、経理の基準は暦日であることが一般的ですから、営業部門が把握している売上高とは差異が発生してしまうことがあります。両部門から報告される数字が異なれば、経営者は正しい経営判断を行なえません。

結果として、経営者などから「経理が事前に確認しておけ」という非難を受けることになることがあります。こういった差異による認識の違いを防ぐためには、機会があるたびに経理の基準を説明し、各部門の経理知識を高める努力を重ねてください。

また、経理には、「提供した数値に関する質問を受けて明細を調べる」といった仕事がありますが、これを日々の業務の一つと考えてはいけません。

問合せが発生する理由は、基準の違いによる差異や異常値が発生したケースがほとんどです。各部門へ資料を提供する前に明細を調べて、説明をつけるように心掛けましょう。

こういった事前調整や準備等に力を入れていくと、自ずと仕事のチェック項目が変わってきます。たとえば、基準の違いによる差異を把握するために一定金額以上の案件はメモに控える、異常値が再発しないように仕事の手順を改善する、提供した資料について評価を求める、といったことが考えられます。

よりよい情報を提供するために、事後チェックを行なうことも忘れずに行なってください。

処方箋 その7 「幅広い知識を身につける」

経理には、財務会計と管理会計と呼ばれる分野があります。決算書を作成し、税務申告を行なう財務会計は大切です。

しかし、会社の業績を高めていくには予算管理に代表されるような管理会計を重視するべきです。経理にある情報と他部門がもつ情報を一緒にして、そこから将来を予測していくことが大切だということです。

そのためには、簿記や税務の知識だけでは判断ができません。営業や製造など会社の知識は当然のこと、業界の知識や為替、株の知識なども必要になるでしょう。

また、労務や法務部門に専門の人員を配置する余裕がない中小企業などの場合には、経理がこれらの分野についてもカバーすることになるでしょう。

経理の専門家として専門知識の吸収に努めることは大切ですが、10年に1回あるかないかの取引について詳しく答えられる必要はありません。経理の専門知識以外にも、幅広い知識を身につけるために日頃からあらゆることに関心を持ち、吸収していく姿勢が求められます。

経営者や幹部社員になったつもりで、会社にとって必要な知識を身につける意識をもってください。“頼れる経理”になるためにも、まずは現場を歩くことから始めてみましょう。

- 日本実業出版社発行 月刊「企業実務」 2006年 8月号より -

今回のショートセミナーはここまでです。


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