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セミナーNO.03

消費税の経理処理で間違えやすいポイント

新たに原則課税で申告納税する場合

原則課税の下では、一つひとつの取引ごとに、消費税区分を正確に処理していく作業が必要不可欠となります。

新たな課税期間からはじめて原則課税で申告納税する場合は、決算期末になって一年分の処理を見直すのは至難の業ですから、消費税の処理に対応した経理システムを早めに導入しましょう。

[事例 5]
下請け業者であるコンピュータプログラマーに対し、今月分の作業代金45万円(実質は給与)を支払った(仕訳6)。

-- 解説 --

■仕訳6
【誤った処理】
(借方) 外注費 450,000(税込み課税仕入)/
(貸方) 現金預金450,000
【正しい処理】
(借方) 外注費 450,000(消費税対象外)/
(借方) 現金預金 23,400 /
(貸方) 現金預金 450,000
(貸方) 源泉所得税預り金 23,400

外注先に作業代金を支払う場合に、税務調査で必ずといってよいほど問題になるのは、それが雇用契約に基づくものか請負契約に基づくものか、という点です。

明らかに独立した外注先であれば、仕訳6 【誤った処理】で問題はありません。

しかし、「毎月の支払額が一定かほとんど変動がない」「その金額に係る下請け業者からの請求書の提出がない」「材料や作業工具を支給している」「夏冬に賞与相当額の支給実績がある」など、その待遇が従業員と変わらないようなケースでは、雇用契約と認定される危険性が高まります。

雇用契約であれば、支払額からの源泉徴収の問題が生じると同時に支払額そのものが給与となり、消費税の不課税仕入に該当してしまうので注意が必要です。

[事例 6]
前期まで免税事業者だったが、今期から課税事業者となった。前期末の商品たな卸高は、358万4,100円である(仕訳7)。

-- 解説 --

■仕訳7
【誤った処理】
(借方) 期首商品たな卸高 3,584,100(消費税対象外)/
(貸方) 繰越商品 3,584,100
【正しい処理】
(借方) 期首商品たな卸高 3,584,100(税込み課税仕入)/
(貸方) 繰越商品 3,584,100

免税事業者が新たに課税事業者となった場合、免税事業者であったときに仕入れた商品を、課税事業者になってから販売することがあります。そこで、課税事業者になった最初の課税期間の期首商品たな卸高に係る消費税額を、その課税期間の課税仕入とみなして、仕入税額控除を受けられる仕組みになっています。

要するに、期首商品たな卸高の105分の5相当額を、税額控除の対象にできるということです。

通常は、仕入れた期間で課税仕入として処理し、繰り越した商品のたな卸高が課税仕入に区分されることはありません(仕訳7 【誤った処理】)。この処理はうっかりしがちですから、無駄な税金を納めないで済むよう、十分に注意しましょう。

[事例 7]
今期まで原則課税の課税事業者だったが、基準期間の課税売上高が1,000万円以下のため、来期は免税事業者となる。今期末の商品たな卸高は、229万8,600円である(仕訳8)。

-- 解説 --

■仕訳8
【誤った処理】
(借方) 繰越商品 2,298,600 /
(貸方) 期末商品たな卸高 2,298,600(消費税対象外)
【正しい処理】
(借方) 繰越商品 2,298,600 /
(貸方) 期末商品たな卸高 2,298,600(税込み課税仕入)
【追加処理】
(借方) 仕入高 2,298,600(消費税対象外)/
(貸方) 仕入高 2,298,600(税込み課税仕入)

課税事業者が翌期から免税事業者になる場合、今期末の商品たな卸高は、課税事業者としての売上に結びつかないことになります。したがって、その金額に係る仕入高を課税仕入のままにしておくと、税額控除だけを受ける結果になるので是正が必要です。

その方法としては、仕訳8 【正しい処理】のように、期末商品たな卸高の勘定における貸方記入額に、課税仕入の情報を与えて相殺させます。もしくは【誤った処理】のままで、【追加処理】の仕訳を追加する方法もあります。


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