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セミナーNO.03

消費税の経理処理で間違えやすいポイント

[事例 2]
帳簿価額50万円の乗用車を下取りに出したところ、15万円で買い取られた(仕訳2)。

-- 解説 --

■仕訳2
【誤った処理】
(借方) 現金預金150,000 /
(借方) 固定資産売却損 350,000 /
(貸方) 車両運搬具 500,000(税込み課税売上)
【正しい処理】
(借方) 現金預金 150,000 /
(借方) 固定資産売却損 350,000 /
(貸方) 車両運搬具 150,000(税込み課税売上)
(貸方) 車両運搬具 350,000(消費税対象外)

固定資産の帳簿価額を貸方に記入すると、会計ソフトなどではその総額を自動的に課税売上に区分するケースが多いようです。

売却利益が生じる場合には、前事例のように、その貸方記入額と「固定資産売却益」の勘定をともに課税売上に区分すれば、その合計額が下取り価格に一致するので問題はありません。

一方、この事例のように売却損が生じるケースでは、このままだと課税売上が過大に計上されてしまいます。課税売上に経理されるべき金額は、あくまで下取り価格(この事例では15万円)であるべきだからです。

したがって、仕訳2 【正しい処理】のように、貸方科目を二分して課税売上が正しく計上されるようにするか、【誤った処理】の「固定資産売却損」に、課税売上の相殺項目である旨の情報を与えておく必要があります。

具体的には、貸方の「車両運搬具」50万円と、借方の「固定資産売却損」35万円の双方に、(税込み課税売上)の消費税データ情報を登録するのがよいでしょう。そうすれば、両者が結果として相殺し合い、課税売上には15万円が計上されるからです。

[事例 3]
今期中に、仕入先から74万9,000円の仕入値引を受けた(仕訳3)。

-- 解説 --

■仕訳3
【誤った処理】
(借方) 買掛金 749,000 /
(貸方) 雑収入 749,000(税込み課税売上)
【正しい処理】
(借方) 買掛金 749,000 /
(貸方) 仕入値引 749,000(税込み課税仕入)

仕入値引や割り戻しなどは、買掛金の減少やリベートの入金などの形で実現します。

いずれにしても収益項目なので、免税事業者であれば仕訳3【誤った処理】のように、雑収入で処理しようと仕入の貸方記入で処理しようと、勘定科目が問題になることはありません。原則課税の場合についても、いずれで処理しても実額で計算されるので、答えは同じになります。

ところが、簡易課税の下では事情は一変します。

本来、仕入値引等は仕入のマイナス項目であり、課税売上ではないため、仕訳3 【誤った処理】を行なうと、課税対象額を不当に高く計算してしまいます。その結果、納めなくてもよい税金を納めることになりかねませんから、こうしたケースでの勘定科目の区分には十分に配慮しましょう。

[事例 4]
前期まで免税事業者だったが、今期より課税事業者となった。
今期中に取引先の一社が倒産し、前期中に販売した商品代金50万円の回収不能が確定した(仕訳4)。

-- 解説 --

■仕訳4
【誤った処理】
(借方) 貸倒損失 500,000(税込み課税貸倒れ)/
(貸方) 売掛金 500,000
【正しい処理】
(借方) 貸倒損失 500,000(消費税対象外)/
(貸方) 売掛金 500,000

簡易課税を選択している事業者は、控除税額をみなし仕入率により算出するので、個別の仕入税額を斟酌する必要はありません。

ただし、貸倒れに係る税額は別扱いで、貸倒損失が発生した課税期間においては、その損失に含まれる消費税額を一般の控除税額とは別に控除できます。

したがって、通常は仕訳4 【誤った処理】で問題なく計算されることになります。しかし、その売掛債権が免税事業者当時に発生したものであるときは注意が必要です。免税事業者の売上には、消費税が転嫁されていないものとみなされるからです。

本事例では、仕訳4 【正しい処理】のように処理し、誤って税額控除を受けてしまわないように注意しなければなりません。


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