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セミナーNO.01

これから増えていく
機械設備や売掛金など動産担保を上手に使うための基礎知識

動産担保融資をうまく活用するには

動産担保融資が受けやすくなるような、登記制度の法制化の動きがおわかりいただけたと思います。しかし現在のところはまだ、動産譲渡担保の対抗要件は、民法178条の「引渡し」です。

それゆえ、前述のように融資側には常に二重担保の危険、第三者への売却の危険が伴います。したがって、確実性の高い不動産担保融資よりも活用しづらい面は否定できません。

しかし、資金繰りに苦しみながらも高額な機械類や価値の高い在庫商品など、資産性の高い動産を眠らせている企業が少なくありません。そうした企業は、法整備前でも積極的に動産資産の活用を検討すべきでしょう。

以下、動産担保融資活用のポイントをみていきましょう。

所有権を確認する

動産譲渡担保を設定する際の留意点としては、まず、機械類などがリース物件か買取り物件かを確認する必要があります。長期のリース契約を結んだ機械類や、特にその付属部品などは、どこまでがリース物件かわかりにくいケースも多々あります。

また、同様に、機械に他人の所有物が入っていないかにも注意が必要です。たとえば、射出成形の機械のなかには「金型」があり、それが製品の注文主の所有であることがあります。注文主の製品製造のための専用部品が、注文主の所有ということもあります。

このような場合、譲渡担保契約を結ぶ際に、担保設定の範囲を明確にする必要があります。後で譲渡担保物件のなかに、リースや他人の所有物が混ざっていることが判明すると、設定者側の信用に関わることがあるでしょう。

また、原材料を注文主から無償提供されているときは、完成品の所有権が最初から注文主にあると考えられる場合もあります。その場合には、完成品の在庫商品に譲渡担保を設定できなくなります。このような在庫品の所有権についても確認が必要です。

範囲を特定する

特に在庫商品を担保化する場合(現在のところは集合動産譲渡担保)、その範囲の特定の仕方に留意する必要があります。

場合によっては、融資に対して担保価値が大きくなりすぎないよう、在庫商品の種類で対象を特定したり、倉庫内の場所によって特定するなどの工夫が必要です。

その他の留意点

製品によっては「ブランド」「商標」の問題があります。金融機関が担保にとっても、結局のところ競売が認められないことがあり、動産担保化の大きな障害になりかねません。

たとえば、いわゆる「ブランド商品」の下請製造メーカーが倒産し、債権者が集合動産譲渡担保に取っていた在庫商品を勝手に売ってしまい、ブランド側とトラブルになった例があります。

また、製造品がある種の部品で、そこに注文主の「特許」や「実用新案」が織り込まれている場合(たとえば半導体など)も注意が必要になります。

在庫商品が集合動産譲渡担保になっていても、売却によって注文主が使用許諾していないライバル企業がその部品を使用することになれば、大きな問題になってしまうと思われます。

このように特に在庫商品の譲渡担保には、担保権の実行段階で様々な制約があります。とはいえ動産担保化は、今後、中小企業の資金調達の有力な手段となり得ます。眠った資産である動産類の活用を積極的に考えてみてはいかがでしょうか。

- 日本実業出版社発行 月刊「企業実務」 5月号より -

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