Page : [ 1 ] [ 2 ] [ 3 ] [ 4 ]

セミナーNO.01

これから増えていく
機械設備や売掛金など動産担保を上手に使うための基礎知識

動産担保融資を巡る最近の法改正の動き

平成14年12月12日、総合規制改革会議による「規制改革の推進に関する第二次答申」が出されました。そのなかに「動産・債権担保法制の整備による資金調達の円滑化」が盛り込まれました。

これを受けて法務省は、動産譲渡公示制度を新設する方針を決め、平成15年9月10日に法制審議会に諮問、同年10月15日に法制審議会に「動産・債権担保法制部会」が設置されました。

そして平成16年2月18日の第五回部会で「動産・債権譲渡に係る公示制度の整備に関する要綱中間試案」が出されました。
審議会議事録、中間試案は、いずれも法務省のホームページで閲覧できます (http://www.moj.go.jp/SHINGI/)。

新制度の検討内容とポイント

■中間試案の主な改正・検討内容

< ほぼ確定の事項 >

  • 法人が行う動産譲渡を登記制度の対象とし、個人の動産譲渡は含まない
  • 法人が行う動産譲渡は、民法178条の規定にかかわらず、登記をもって第三者に対抗することができるものとする

<未確定またはさらなる検討を要する事項>

  • 登記がされた担保目的の動産譲渡は、当該登記が、他の担保目的の動産譲渡が占有改定により対抗要件を備えた後にされたものでも、この動産譲渡の譲受人に対抗することができるものとする(筆者注:前に占有改定により引渡しがあった譲渡担保でも、後に登記により担保目的で二重に動産譲渡されたら、登記制度を利用した者が前の譲渡担保に優先する、という趣旨と思われる)
  • 概括的な登記情報は誰にでも開示し、全部の登記情報は利害関係者にのみ開示する
  • 動産譲渡登記がなされている譲渡人の法人登記簿(商業登記簿)に概括的な登記情報を記載する

現在検討されている動産公示制度は、担保目的の動産譲渡を登記制度の対象とするものです。

従来、融資を受ける企業が原材料・機械・在庫製品などの動産を担保とする際、外形上判然としない占有改定によって対抗要件を備えていたために、即時取得の恐れなどを排除できなかったことを改善するためです。現段階の中間試案では、複数の案が並行して出されています(右表参照)。

なお、新制度では債権譲渡担保でも、従来の債権譲渡登記制度が改められます。債権担保の実効性を高めるため、債務者が特定しない将来債権の譲渡について、債権譲渡登記によって第三者対抗要件を具えられるようにする予定です(この債権譲渡登記をしている旨を法人登記簿(商業登記簿)に記載するかどうかは検討事項)。

これにより、将来発生する予定の売掛金債権についても、範囲等を特定して集合債権として登記し、安全に譲渡担保とすることができるようになります。

売掛金を担保にする信用保証協会の保証制度

動産担保融資を円滑化する制度としては、平成13年12月に売掛金を担保として信用保証協会の融資保証を受ける「売掛債権担保融資保証制度」が発足しました。

この保証制度は、現行の債権譲渡登記を前提としています。

従来、債権譲渡登記が資金繰りに窮した企業の最後の策として用いられることが多く、この登記がある企業が警戒される、という弊害がありました。そこで、債権譲渡登記に信用保証協会の名前が入るようにして、一般的な融資保証であることを認知させることを狙っています。

一方、動産を担保にした信用保証制度の拡充については、経済産業省が検討を開始し、平成17年の中小企業信用保険法の改正を目指しています。

前のページ 次のページ