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セミナーNO.01

これから増えていく
機械設備や売掛金など動産担保を上手に使うための基礎知識

動産担保の普及を阻む問題点とは

多くの企業の不動産は、すでに担保提供されていることが多く、また最初から不動産を持たない中小企業が少なくありません。そうした場合に、残っている大きな資産である動産を担保化できれば、資産を有効に活用できます。

しかし、動産担保には次のような問題点があります。

質権を巡る問題

質権は、前述のように民法345条で「代理占有」が禁止されています。
代理占有とは、所有者が、形式的な占有移転後に、別の人の代理人として占有することです。つまりは元の所有者の占有が継続します。そのため質権は必然的に占有移転を伴い、企業の担保としてはあまり活用できません。

譲渡担保を巡る問題

これに対し、譲渡担保など質権以外の担保権は、代理占有が禁止されません。ただし、譲渡担保権者が担保権を取得したことを第三者に対抗するには、動産の「引渡し」が必要になります(民法178条)。これを「対抗要件」といいます(不動産の場合は登記が対抗要件になります)。

■即時取得とは

即時取得は、動産を平穏かつ公然と占有する売主等(前の占有者)が所有権をもっていると信じた者に対しては(過失がない場合)、たとえ前の占有者が無権利者であっても所有権を与える、という法制度です。

この制度の背景には、動産には不動産と違って登記のような明確な所有者確認手段がなく、占有者を所有者と信じざるを得ない状況があります。

そこで、形式的に動産を占有移転して引渡しを行ない、以後は設定者が担保権者の代理人として動産を占有する「占有改定」(民法183条)によって、譲渡担保権者は対抗要件を備えることになります。まさに前記の代理占有の典型例といえます。

しかし、動産の実質的な占有が担保設定者の手にある以上、さらに別の者に、その動産を譲渡担保する危険性があります。つまり、二重の譲渡担保です。また、担保設定者が別の者に本当に譲渡してしまうことも考えられます。

この場合、取得者は民法192条により「即時取得」(右参照)する可能性が出てきます。なお判例上、明確な占有移転がない占有改定による取得では、即時取得は成立しないと考えられています。

このように、占有改定で引渡しを行ない、それにより譲渡担保の対抗要件とする場合には、権利の安定性に欠けるという大きな問題点があるのです。

この問題点のために、動産譲渡担保、特に在庫商品についての集合動産譲渡担保は、なかなか普及しませんでした。

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