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第2回「管理会計」の始動

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企業の決算情報は「経営の結果情報」です。情報の見方、集計の仕方を変えれば、自社の事業分析、経営分析などに大いに活用することができます。

とはいえ、手作業ベースでの情報加工では、その作業は相当大変なもので、決算情報の持つ有用性を認識しながらも、社内リソース不足その他要因で実際の活用に踏み切れなかったのが実情でした。

しかし、会計業務がシステム化され、会計伝票が情報としてコンピューターシステム上に管理されるようになると状況は変わります。制度会計の効率化のために生まれた会計システムが、管理会計という新たな利用スタイルを可能にしたのです。

ICSでは、管理会計=業績管理という考え方を基本においています。管理会計は業績管理を行い、利益獲得に向けた実行具体策を企業内部にて様々に検討していく手段であるとの認識です。

売上規模が大きくても利益が心許なくては企業の存続は危ういばかりです。利益構造がどうなっているか、そこにある問題点を把握し、必要な改善・改革、時として大胆な手術を行うには、社内で課題を共有し、意識のベクトル合わせを行い、行動をとっていくためには、データの裏付けが必要です。行動につながる具体的な分析をするには、事象を構成している個々の内訳を取り出し、細部までブレイクダウンして問題を切り出し、いろいろな切り口で検証していく作業が欠かせません。

またこのような分析が社内で共有されないと、企業としての戦略的な活動はできないものと考えます。企業規模が大きくなるほど管理会計にもとづいたマネジメントが重要になってくるのです。

管理会計は英語ではManagement accountingといいます。management=経営と訳した場合、「経営会計」という言い方も可能かとも思います。あるいはそのまま「マネジメントのための会計」と理解する方が、実は管理会計の持つ意味と目的を的確に表しているともいえます。

ところで管理会計というのは社内利用が目的ですので、法的規制を一切受けません。従って管理会計を自社としてどのように使うか、その考え方、ルールは企業が独自につくるもので、企業のビジネススタイル、取引先の数、従業員等のリソースのかけ方によっても異なります。

そこでICSでは「企業独自」をキーワードに、企業それぞれが柔軟に管理会計を行えるようなしくみを持たせた会計システムの開発に着手し、1990年9月、『INPACT-NEXT』として発売。データの正確性と迅速性を担保しながら、企業それぞれに使い勝手のよい管理会計を可能にした、当時においては秀逸なシステムであったと自負しています。

制度会計+管理会計で企業の業績を管理していく会計システム。オフコン時代に始まった取り組みは、米国マイクロソフト社のWindowsの普及、さらにネットワーク環境の進化とともに、クローズされた専用システムからオープン系へと流れは大きく変わっていきます。

『OPEN21』の登場、そして “ 会計ERP ” を掲げたシリーズへ。次回をぜひご覧ください。

第3回「会計ERP」の時代へ

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